「風のように生きる」を見つける
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第6話 「シニゾコ」と「エム」の出会い 

「な!?なんなんだよ、これは!」
石塚はそう叫びながら、道なき道を必死に逃げている・・・そして、逃げ惑う彼を、まるで熊のような生き物が森の木々を押し倒しながら追いかけている。
さっきまでスマホを覗いていただけだったのに、急に目の前が真っ暗になったかと思えば、変な姿になって見たこともないような場所でなんだか分からない生き物に追いかけられている。

「なんなんだ?これは?・・・俺は死んじまったのか?」

ただ、夢のようではないちゃんとした現実的な感触がしっかりあって、目の前にいる熊のような変な生き物からはちゃんと逃げないとヤバいという直感が働いている。

しかも40代を過ぎているはずの彼の体力はまるで20代のように力が満ち溢れていて、いやむしろその走ってるスピードも、目の前の木々を振り払っている力も、人間の力の領域を遥かに超えていると感じている。

「まるでADをやっていた時みたいなギリギリ感だな。死んだふりはどうやら通用しそうもないけどな。笑」
石塚はそう言って、昔のことを思い出しながらちょっと微笑んだ。そんなふうに一瞬気をぬいてしまったため、彼の目の前にあらわれたシスターのような女性の存在に気づくのが遅れてしまった。

「ヤバい!ぶつかる!!」

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気づいたら美月は森の中に佇んでいた。

「え?何この格好?・・・で、どこ?ここ?」
パタンナーをしている美月は、今どこにいるかよりも自分が着ているシスターのような服装に驚いてしまった。そしてその後に周りの景色が一変してることに気づいた。
そして、そんな戸惑いを感じてる間もなく、目の前にまるで中世の戦士のような男が急にあらわれてぶつかってしまった・・・。

「・・・あ、あれ?」

ぶつかってしまったと思ったのに、今は森をぬけたところに私はいる。どういうことなのか全く状況がつかめない。
自分の姿も、この景色も、もともとじっくりと考えて行動する美月は、全く状況についていけなくただただその場に座り込んだ。

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確かにぶつかったと思ったんだが、と石塚は周りを見渡した。だが、そこに彼女の姿はなく、そして後ろから追いかけくる生き物の姿を確認すると、再び彼は走り出した。
「一体なんだったんだ?」
そう呟きながら森の中を抜けると、ちょっと先にさっきのシスターがへなへなと座り込んでいる。

「ちっ、これはやるしかないな・・・」

シスターの目の前で彼は振り向き直すと、森から出てきた熊のような生き物と向き合った。襲いかかる生き物に刀を振り下ろそうとしたその瞬間に、大きな衝撃波とともに目の前にバリアのようなものが張られ、その生き物は吹っ飛んでしまった。

「・・・すげーな!ダチョウの卵をレンジで爆発させた時みたいだぜ。笑」
あまりの衝撃にAD時代の記憶を思い出して、ぼそっと出た言葉にシスターがびくっと反応した。

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「ダチョウの卵って・・・もしかしてシニゾコさん?」シスターの姿になっていた美月から勝手に言葉が溢れていた。

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